青天を衝け「論語と算盤」33話
2024年、新紙幣の顔として登場する渋沢栄一。
大河ドラマ「青天を衝け」では、いよいよ佳境に入ってきた。
武士の時代から藩に年貢を収めたりしていたところから、明治になって民による商人の動きが活発化され、貨幣が回りだし、大衆化されたきた。
これにより「お金」勘定を強める人も増えてきたり、世の中いつになっても変わらないものだと考えさせられてしまう。
お金に振り回されることなく、生活を豊かにするには、そこには道徳が必要だ。
論語と算盤。栄一は再度論語を読み解き始める。
あらすじ
第一国立銀行の大株主、小野組が放漫経営で倒産する。
小野組に無担保で多額の貸しつけをしていた第一国立銀行も、連鎖倒産の危機に陥る。
さらに、三野村利左衛門(イッセー尾形)率いる三井が、この機に乗じて第一国立銀行を乗っ取ろうとする。
銀行を守るため、栄一(吉沢 亮)は、三野村との一世一代の大勝負に出る。一方、喜作(高良健吾)は、主要な輸出品である蚕卵紙(さんらんし)を値崩れさせようと、横浜の外国商館が口裏を合わせて買い控えをし始めたことに憤慨していた。
ドラマを観て思うこと
三井組と小野組の合本によってできた第一国立銀行の総監役として動き出した渋沢栄一。
ところが、政府が無担保で小野組や三井組に貸し付けていた金の全額に「担保を出せ」と大蔵省が言い出した。
栄一は、大隈重信に直談判に行くのだった。
「小野組や三井組に政府が無担保で金を貸し付けていたのは、彼らが御一新の際に貢献したからだ。それを急に全額の担保を差し出せとは……三井や小野がわが第一国立銀行の大株主であることは、もちろんご存じのはず。銀行まで今つぶれれば、この先日本の経済は…。」
「大蔵省としては、今んうちに担保ば押さえておくことは道理たい。」
大熊重信に強く言い返された栄一だった。
考えた末、栄一は第一国立銀行を守るため、小野組に政府より先に担保を差し出してほしいと頼み、小野組を犠牲にすることでこの危機を乗り切るのだった。
「私はこの銀行を守らねばならないんだ!ここがつぶれれば日本に銀行をつくるなど絵空事だと思われる。育てねばならねぇ産業も商業もますます遅れ、今、崖っぷちの日本の経済そのものが崩れちまうんだ!」
小野組の番頭・古河市兵衛の最終的な理解もあり、どうにか乗り切る事ができた。
「小野組が第一国立銀行から借りた金のうち、多くは私がやっている支店への貸し出し。渋沢様は私を信用して無担保で貸してくださった。そのご恩に報いるためにも、出せるものはすべて差し出します。」
この小野組の倒産を受けて、今や合本ではないということで三野村利左衛門は、第一国立銀行を三井組に取り込もうとするのだった。
栄一は断固反対、ならば政府に適正な監査してもらうようにした。現在の銀行監査はここからきているといわれている。
「第一国立銀行はあくまで合本銀行だ。多くの人々の力を合わせ、よどみない大河の流れをつくるのが目的だ。それを、『株はすべて三井が譲り受ける』だと?配当金も人員も…混乱に乗じてそんな横暴を言い出すとは承服しかねる。」
監査は西洋式の方法が用いられた。大蔵省が第一国立銀行の西洋式銀行検査を行い、合本銀行として三井組にのみ多くの貸し付けが偏ることを問題とし、三井組への特権をはく奪することとなる。そして栄一は頭取に任命されるのだった。
「題は……大口の貸し付けば、三井組のみにしとることや。一つんとこに偏るんは、合本銀行として実に不健全であっとであーる。大蔵省は第一国立銀行に三井組への特権のはく奪ば命ず。さらに、渋沢の総監役ば廃止……頭取に任ずる。わいが始めたんじゃ。しっかり建て直せ。(大隈重信)」
今回の自分の見立てがよくなかったことを反省した栄一。子どものころ学んだ論語を取り出し、再びその教えを詠みとき、学んでいたにも関わらず忘れてしまっていた自分に気づき、これからの思想を再度思い起こすのだった。
一難去ってまた一難。
機械や綿織物の輸入が増え、金貨や銀貨が大量に外国に流出し始めた。
さらに、重要な輸出品である蚕卵紙(さんらんし)を外国商人が買い控えたことで値が崩れ、国が危機となる。
今までウマが合わなかったかのように見えたが、栄一は大久保利通に国を助けてくれと乞われた。
「おいを助けるとじゃなか。国を助けると思うて、味方になってくれんか?(大久保)」
国を助けるために栄一は秘策を考えた。政府の資金を一部使わせてもらうことを条件で蚕卵紙を国の金で買い取り、すべて燃やし、売り控えるという計画だった。
「売れずに困っている蚕卵紙をすべて買い上げてもらいたい。買い上げた蚕卵紙はすべて燃やす。外国商人が音を上げて取り引きを申し入れてくるまで焼き続けるんだ。そして、その旨を新聞に載せ、世間に広く知らせる。買い控えを逆手にとり売り控える!(栄一)」
喜作や惇忠とともに、昔横浜焼き討ちを企てようとしていたことを、思い出し、今回違った形で実行することができたのだった。そして志半ばで逝った仲間たちへの想いもはせるのだった。
「10年越しの俺たちの横濱焼き討ちだい!見てるか、真田、長七郎、平九郎。天まで届きそうな炎だ。」
明治9年の正月に入り、三野村利左衛門らが渋沢邸を訪れた。
「三井銀行開業、おめでとうございます。(三野村)」
「小栗様が今の世をご覧になったらどうお思いでしょうな。(栄一)」
「私もこれで悔いなく死ねます。ただ、怖いのはね、渋沢様。あまりにも金中心の世の中になってきたってことですよ。今や誰もが金を崇拝し始めちまっている。こりゃあ、あたしら、開けてはならぬ扉を開けちまったかもしれませんぜ。さあて、どんな世になりますかね。。。(三野村)」
栄一は、「金中心の世になってきたことが怖い」と三野村に言われ、胸がざわついた。ここからまた論語の思想が更に栄一の礎となって「論語と算盤」=「道徳と経済」の両立を唱え始めるのだった。
時代の流れの中で戦争が勃発。商人は戦争で儲けた企業もでてきた。
大久保利通の暗殺、西郷隆盛の死など、西南戦争で引き起こされた死者もたくさんでてしまった。
まだまだ戦争は続いていくのだろうか?!
ゆかりの地の紹介
鹿児島県鹿児島市。
西郷隆盛率いる不平士族が明治政府を相手に戦った西南戦争。
九州各地の士族を巻き込み、戦いは7か月以上に及んだ。
明治政府は最新の技術であった電信を活用。迅速な情報の伝達は戦局を有利に導いていった。
政府軍による総攻撃を受け、西郷は自刃。
今は南洲墓地で2,000人以上の仲間たちと共に静かに眠っている。
西郷の墓を訪れる人のため参拝所が設けられ、のちに南洲神社となった。
南洲神社
東京都千代田区。
西郷の死からおよそ8か月後。
大久保利通は紀尾井坂の手前の清水谷で暗殺された。
国葬級の葬儀が行われ、東京都港区の青山霊園に葬られた。
清水谷
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