渋沢栄一ゆかりの地【北海道十勝清水町】
渋沢栄一ゆかりの地 北海道十勝清水町
北海道と言えば乳製品を連想する。
渋沢栄一は500もの企業に創設または関与、そして全国的に渋沢栄一が讃えられているゆかりの地はあるが、まだ未開の地であった清水町を渋沢栄一は開墾事業に乗り出してから紆余曲折ありながらも、今や酪農や農業王国として発展した。
清水町の渋沢栄一ゆかりの地を歩いてみると、ゆかりの神社やお寺が今も残っているが、その他にも新たな発見があるに違いない。
渋沢栄一は清水町以外にも北海道内で「サッポロビール」や「北海道拓殖銀行」など数々の事業に関わったことは知られている。
①渋谷ファーム「十勝開墾合資会社の牛舎」
清水町の農場にある木造の牛舎は、大正8年に建てられ今も現役。この牛舎は渋沢栄一が明治31年に清水町に設立した「十勝開墾合資会社」が建築し、民間資本により現在の同町熊牛地区と人舞地区の原野4270haを開墾した場所。農場では大豆、小豆などを生産し牧畜や水田にも取り組んだ。厩舎は清水町熊牛11にあり、W構造2階建て、幅5間半(10m)、長さ22間(40m)の大きさ。札幌農学校第2農場をモデルに設計したとされる。床はコンクリート製で家畜の糞や飼料を搬出入するトロッコのレールが通り、屋根を支える長さ10mの梁も当時のまま。町内の渋谷農場が所有し、屋根など一部を改修して1階部分を牛舎、2階は乾草の保管場所に使っており、屋根以外はいまも建築当時の姿を残している。渋沢の会社が経営した農場は大正初期には十勝でも有数の規模に発展した。
現在は渋谷さんが経営し、渋谷ファームという名前で引き継がれ運営されている。
北海道上川郡清水町熊牛11-51
②青淵山寿光寺
寿光寺の開教は、大正4年、十勝開墾合資会社が熊牛農場内に集会所兼説教所を建て、大分県より来往の僧石原信亮師が不況に従事したことから始まる。1918(大正7)年、石原信亮師が引退し、富山県下新川郡上原村光明寺の僧、増山白渚師を招き、熊牛説教所を浄土真宗本願寺派として開基した。総代には吉田嘉市、宮坂義左松、氷見治三郎の3名が就任した。1926(大正15)年5月6日、寺院創建の機運が高まり、認可を得て渋沢栄一の雅号を載き、「青淵山寿光寺」の寺号を公称した。
十勝開墾合資会社より敷地(1.5ha)及び材料費の寄附、渋沢栄一その他からの寄附を得て、4代目農場中村新作が建設委員長となり、「農場の仏壇はお寺である」との念願のもとに、寺院の建設工事が始まった。昭和4年8月25日、寺院が落成し河西鉄道が臨時列車を出して、入仏式、慶讃法要が盛大に行われた。寺院には、渋沢栄一の直筆による扁額も揚げられ、敷地には3大目農場長吉田嘉市の墓碑が建立されている。
浄土真宗本願寺派 寿光寺
〒089-0241 北海道上川郡清水町熊牛64
TEL 0156-62-5745
③大勝神社
渋沢が熊牛の地に残した、大正の年号と十勝の地名から一文字を取った「大勝神社」。
敷地や工費が十勝開墾合資会社から投じられて本殿や拝殿が造営され、札幌神社(現在の北海道神宮)の分神を奉戴し祀られている。
熊牛原野に入植した十勝開墾合資会社の小作員たちが地域の発展を願って1904(明治37)年、字熊牛西2線77番地に小さな祠を建て、天照大神を祀ったのが始まり。その後19911(明治44)年、十勝開墾合資会社の時の農場長吉田嘉市が現在地の西1線9号の農場高燥地を選んで5町歩を割き、公費580円を投じて神殿を造営した。さらに翌1912(大正元)年9月、公費300円で拝殿を造成した。この大勝神社に札幌神社(現北海道神宮)から大国魂神(おおにくにたまのかみ)、大名牟知命(おおなむちのみこと)、少彦名神(すくなひこなのかみ)の開拓三神の分霊を請い祭神とした。1916(大正5)年には十勝開墾合資会社から落ち葉町、ドイツトウヒなどの針葉樹3400本が寄贈され、桜の木などとともに境内2.8町歩に植樹された。その後氏子ら310戸の寄附により、建設資金1610円を投じて社殿、拝殿、社務所を造営するとともに発願総代、平賀松五郎ら60名の連名で1923(大正12)年2月に神社創立を申請し、翌年1924(大正13)年3月、無格社として認可を受けた。昭和28年11月16日宗教法人法による宗教法人の認証を受け現在に至る。尚、昭和49年、道自然保護条例に基づき保護地区に指定された。
住所:北海道上川郡清水町字熊牛63番地
アクセス:JR十勝清水駅より10㎞、車で20分、徒歩2時間
④熊牛百年拓魂の碑・開拓70年記念碑
1998年(明治31)年4月、十勝開墾合資会社によって開拓の一歩が踏み出された熊牛地区では、1996(平成8)年で町よりも一足早く開拓100年を迎えた。「熊牛百年拓魂の碑」はこれに先立ち結成された「熊牛地区開拓百年記念事業協賛会」の手で建設が計画され、同12月8日、旧熊牛駅跡付近の字熊牛71番地72に建立された。記念碑は台座とも高さ7.35m、100年を現す10個の石を左右から積み上げ、最上部をアーチ型にして過去から現在、未来に向かう姿を表現した。隣には「開拓70年記念碑」が並んで立っている。台座ともに高さ4.0mのこの碑は、開拓70年を記念して、1964(昭和39)年7月28日、建立発起人会の手で大勝神社の境内に建てられた。日は熊牛開拓尾「シンボルとして大勝神社を訪れるものに親しまれてきたが、台座の傷みが激しいこともあって「熊牛開拓百年記念碑」の建設にあたって、隣に修築移転された。大勝神社の境内には「開拓70年記念碑跡地」の石碑が残されている。
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