ジャパンブルー「藍染め」を守り続ける匠技術
渋沢栄一を語るのには欠かすことができない「藍」。
藍は、江戸時代、異国人により「ジャパンブルー」と呼ばれるほど、日本各地で粋なファッションとして流行していた。
渋沢栄一も「藍玉販売」で、その商才を少年期より身に付け、革新的な技術、発想、行動力をもって近代日本を作り上げていった人物の一人である。
『ジャパンブルー』=『藍』は、今も尚、日本人の心の中に生き続け、伝統を守りながら藍染め商品を作っている企業、植物の藍を育てている企業、藍を更に研究して新しいモノづくりへと革新的な研究を続けている大学や研究所や企業、藍で町おこしをしていこうとしている地域、自治体と様々な人たちが『藍』と関わりをもっている。
日本人として藍を今一度見直し、伝統的な商品をひとつは持っていたいものだ。
藍の産地とその活動
藍の生産地は、渋沢栄一もドラマで言っていた「阿波の藍を目指す」ということでもある通り。
ベスト3は。。。
1位:徳島県 上坂町、阿波市 53.2トン
2位:北海道 伊達市 12.0トン
3位:青森県 青森市 2.5トン
※平成24年度 農林水産省地域作物課調べ
そして、藍染め商品を作っているのは、他県存在する。
渋沢栄一は、埼玉深谷出身で、『武州の藍』を阿波に次ぐようにしていきたいという目標を持っていた。
藍染めのいろいろ
●阿波藍(徳島県)
●伊達の藍(北海道)
●益子木綿(栃木県)
●武州の藍染め(埼玉県・渋沢栄一の故郷)
●近江木綿(滋賀県)
●出雲織(島根県)
●久留米絣(福岡県)
●琉球藍(沖縄県)
藍の商品を愛して止まない方は、まずもって藍がこんなにもいろいろな使い方があるんだ、ということを知ってもらいたい。
まずは、渋沢栄一の故郷、武州にある伝統的な藍染手法を守り続けているこだわりの企業をご紹介したい。
武州の藍染め
江戸から明治にかけて、武州地域では、200以上のところが藍染めを制作していたが、現在は殆どが廃業してしまった。そんな中で伝統的な製法を守っている代表的な老舗企業が3カ所ある。そのうちの一つが、小島染織工業だ。
1872年(明治5年)、江戸時代中期より農家の副業として藍染織物を製造していたものを企業化し創業。創業当初は農作業用股引の生地を用途とする小幅先染織物製造が中心だった。埼玉県羽生市で150年以上、藍の蒅から発酵させた藍で糸を染め、織機で生地を織っている。
かつて「武州(ぶしゅう)」と呼ばれた埼玉県羽生市が江戸時代から続く藍の糸染めの産地であり、渋沢栄一翁の家業である藍玉づくりはこの産地の核となる事業であった。
小島染織工業では、剣道着などに使われてる藍染め刺子織をはじめ、多くの生地をつくり、自社製品もさることながらアパレルメーカーなどに藍染め生地を供給している。
藍に染めるまでの工程
①加瀬揚げ
最初の工程を「加瀬揚げ」という。小島染織では、伝統的な形のカセアゲを使用している。最初のステップは、リールから糸を取り、それを使用して「カセ」またはロープのようなループ形状を形成することだ。
②糸はたき
③本染め「糸染め」
④のり付け
その後、糸を天日干し。色の深みと美しさを出すためには、自然な日光の下で糸をゆっくりと乾燥させる必要がある。
⑤チーズアップ
⑥整経
⑦シャトル織機で糸を織る。
旧式シャトル織機は今も尚健在。シャトルに組み込む緯糸(よこいと)「管巻き」を行う。シャトルとは「行ったり来たりする」の意。シャトルの緯糸(よこいと)と織機の経糸(たていと)が交差することで少しずつ布地に織りあがっていく。機会の綜絖(そうこう)という部分で経糸(たていと)の上げ下げを制御することで生地に模様をつけていく。気温や湿度に応じて微妙な調整を要する匠の技が必要。藍で染まった糸は太く丈夫ゆえ、織り上げるには相応な力が必要。現代の織機では歯が立たないそう。藍の本来の風合いが出せるのは旧式シャトル織機。古い機械をメンテナンスしながら大事に使っている。まさに職人魂だ。
生地の風合い
武州小島染織工業の正藍染め。手作業で糸をほぐし、染めの状態を目で確認しながら染める。
そのため、糸が芯から染め上がり、織り上がった時にあたたかみのある自然な縞 「青縞」 を生み出すことができるという。
シャトル織機 を使用しています。昭和40年代に製造された坂本式自動織機、シャトル織機を使い、あえてこの織機を使うことにより、やわらかい織物の風合いを守っている。
伝統的な製造を守るため、そして時を超えて新しいものを取り入れながらも古い機械や伝統的な製法を大事にしながら、職人魂で丁寧に作られた生地じゃら仕上がった商品は、きっと愛着のある逸品に違いない。
藍染めアイテムならば
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