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タオルによくあるトラブル・上手な使い方

タオルによくあるトラブルと対処法

色落ち

タオルを製作するにあたり、染色堅牢度(色落ちの試験)に合格したものでも、塩素が多く含まれた水道水に長時間さらされたり、漂白成分を含んだ洗剤に長くつけられたりすると、色落ちすることがあります。

また、家庭で使われる洗剤の多くに漂白剤が付加されており、色落ちする原因になっています。スレン染料などは漂白剤に強いため、業務用タオルに多く使用されています。

色落ちは、染料の濃さや使われている染料の種類によっても発生しやすさが異なります。一般に濃色のタオルは色落ちしやすいので、最初の2~3回は単独で洗濯し、濡れた状態で放置せず、すぐに干すことをお勧めします。

尚、台所など湿度・湿度の高い場所や押入れなどの通気性の悪い場所に長時間放置すると、染料が加水分解による経時変化をおこして、色落ちしやすくなることがあります。経時変化を防ぐには、すぐに使用しない場合でも、一度洗って良く乾かしてから、高温多湿の場所を避けて保管しましょう。

 

色褪せ

タオルの色褪せの主な原因としては、洗濯による摩擦、日光による紫外線の2つが考えられます。洗濯による摩擦を軽減するためには節水モードでなく多めの水で洗濯すること、紫外線の影響を減らすためには直射日光をさけて干すこと等の対策があります。

尚、色褪せとは異なりますが、オーガニックコットンなどの綿本来の色(オフホワイト)を生かした製品の場合、家庭用洗剤に含まれる蛍光増白剤により徐々に白くなることがあります。

 

毛羽落ち

タオルは、衣類や寝具などの一般的な線製品と異なり、長いパイルをもった織物のため、使用や洗濯の際に受ける摩擦によってパイル系から短い繊維が脱落することがあります。

これは「綿を原料に作られたパイル織物」というタオルの性質上避けられないもので、肌触りが柔らかなものほど、脱落する毛羽量が多くなる傾向にあります。

また、洗濯時に柔軟剤を使用すると、繊維の表面が滑りやすくなり、脱落する毛羽量が多くなります。

 

毛羽の出やすいタオルの主な特徴
 

・糸の撚りを極端に甘くした(極甘撚り)糸をパイル系に使用したタオル

・無撚系(糸の撚りがほとんどない糸)をパイル系に使用したタオル

・地組織の粗いシャーリング(パイルの表面をカットした)タオル

・繊維長が短い綿を原料に作った糸をパイル系に使用したタオルなど

最も効果的な対処法は、洗濯時にクズ取りネットを使用することです。その他、なるべく多めの水でゆったりと洗ってゆったりと乾燥する、過度の柔軟剤の使用を避けるなどの方法があります。ただし、タオルの性質上、毛羽落ちをゼロにすることはできません。

 

パイル抜け

タオルのパイルは、タオルの長さの5~8倍の1本の糸をループ状にたゆませ、緯糸で挟むことによって作られているため、タオルの性質上、強く引かれると切れるまで抜けてしまいます。

特に、新しいタオルや柔軟剤によって糸が滑りやすくなったタオルは、使用しているときや洗濯の際に何かに引っかけたりすると、パイル糸が長く引き出されてしまいます。ただし、タオルの組織は、洗濯と乾燥によって収縮するため、洗濯を繰り返すことで、パイルは抜けにくくなります。

もし、パイル系が引き出されたら、その状態で早めに切ることが最も有効です。タオルの組織上、パイル系をそこで切れば、それ以上の大きな糸引きはしません。

特に、パイルの長いタオル、薄手で地組織の粗いタオル、片面ガーゼのタオルなどは、パイル抜けしやすくなっています。パイルの抜けにくいタオルを望まれる方は、パイル系(毛足)が短いもの、地組織が詰まったものをご使用ください。

 

吸水性不足

綿でできたタオルの吸水性・吸水容量は、基本的に重量に比例します。タオルは、生地である綿の浸透圧と毛細管現象によって水を吸います。つまり、この両方の現象が阻害されてない限り、タオルの吸水性は確保されます。

細菌の製品で水を吸わないタオルは、購入時に柔らかいタオルのほうが売れ行きが良いという生産・販売者側の意図によって使用される柔軟剤の影響が大きいと考えられます。

過剰な柔軟剤の使用は、タオルの性能を著しく低下させますので、本来は販売促進のために使うべきではありません。また粗悪なタオルの場合は、綿の油脂分が残っていたり、タオルを織る際に付着させた糊が残っているため水を吸わないこともあります。尚、意図的にオーガニックコットンを使って化学物質を使用せずに精錬・漂白している特殊なタオルの場合には、数十回洗って初めて良く吸うタオルになるというものもありますので、知っておくと良いでしょう。

 

硬くなる

タオルの硬化は、洗濯塩パイルの潰れが大きな原因と考えられます。最近普及しているドラム式洗濯機の「叩き洗い」は、特にパイルが潰れやすい洗い方になります。

対策としては、洗濯後の干し方で硬化を大きく改善することができます。

尚、入浴時に石鹸を付けて体を洗うタオルは、すすぎが足りないと皮膚の油分と水道水のミネラルが化合して、水に溶けないカルシウム石鹼ができ、繊維の表面にこびりついて硬くなります。洗面器の内側に溜まり、掻き落さないと取れない汚れも同様の現象です。

時間をかけて揉み洗いすれば取ることができますので、入浴時にタオルを使った後は、十分にすすぐことが大切です。

 

におい

タオルのイヤなにおいは、繊維に付着した菌が増殖する過程で発生します。その菌とは、人の口や鼻の粘膜などのあらゆる場所にいる「モラクセラ菌」のことです。酸素や温度、湿度、エサ、水分などの条件が揃うと急速に増え、悪臭の原因になります。

タオルをきれいに洗濯したつもりでも、菌や汚れが落ち切れずに残っていたり、洗濯で溶け残った石鹸カスなどが付着していると、乾くまでの間に菌が増殖してイヤなにおいを発生させます。

また、湿度の高い時期、部屋干しで乾くまでに時間がかかるなどの場合、菌は増えてにおいが出やすくなります。一度においが発生したタオルは、普通に洗濯しただけでは、においの原因となる菌を完全に取ることができません。

 

においへの有効な対策
 

❶60度以上のお湯につける

モラクセラ菌の弱点は「熱」です。60度以上のお湯につければ、20分程度で死滅します。洗面器などに沸かしたお湯を入れて、タオルをつけておきます。途中で差し湯をして、お湯が60度以上を保つようにしてください。

ただし、熱湯を直接かけると生地を傷める恐れがあるので気をつけましょう。お湯から取り出したら、すぐに洗濯して乾かしてください。濡れた状態で放置していると、再び菌が増えてしまいます。

 

❷コインランドリーの乾燥機を利用する

におい対策には、コインランドリーの乾燥機で乾かすのも効果的です。60度前後で乾燥させる家庭用の洗濯乾燥機に比べて、コインランドリーの乾燥機は約80~120度と高温なため、より確実に菌を取り除くことができます。

 

❸酸素系漂白剤につける

40~50度のお湯に酸素系漂白剤を適量入れて、タオルを20分程度つけておきましょう。終わった後は、しっかりすすいでから干してください。ただし、塩素系漂白剤は、色落ちしたり繊維を傷めたりする恐れがあるので、長時間つけすぎないように注意が必要です。

 

参考:おすすめの洗い方

 

❶タオルを「洗濯ネット」に入れる

ふわふわのパイルを守り、毛羽落ちの対策にもなりますので、面倒かもしれませんが、おすすめのひと手間です。

 

❷洗剤を適正量入れる洗剤は、蛍光増白剤や酵素を含まないものおすすめです。

尚、柔軟剤は入れません。タオルのふわふわ感はパイルの弾力によるもので、タオルの表面を柔らかくする柔軟剤で柔らかくなるわけでありません。逆に、柔軟剤によって吸水性が落ち、パイルが抜けやすくなってしまいます。

柔軟剤の良さを活かすには、タオルが硬くなったと感じたときなど、洗濯10回に1回程度使うと良いでしょう。

 

❸水の量を多めに、すすぎをしっかり行う

脱水後は、なるべく早くタオルを干してください。濡れたまま放置すると雑菌が繁殖し、においの原因になります。

 

❹ドラム式洗濯機の場合の注意点

最近増えているドラム式洗濯機は、少ない水で洗濯物を振り落としながら汚れを落とす方式のため、自然乾燥するとパイルがまるでプレスしたようにつぶれてしまいます。

この洗濯機のパイルをつぶす力はとても強力で、自然乾燥ではなかなか元の風合いに戻りません。乾燥機能を使うとふんわり仕上がり、タオルの風合いは劇的に変化しますので、タオルに限っては乾燥まで行うことをおすすめします。

乾燥機能が付いていない場合は、ウールやシルクなどのデリケートな衣類が洗えるコースを選び、水量を最大に設定することで、パイルがつぶれて硬くなるのをある程度防ぐことができます。

 

タオルの上手な扱い方・お手入れ方法

上手な洗い方

洗濯をするときは洗剤の適正量を守り、水をたっぷり使って洗いましょう。洗濯物を詰め込みすぎると、洗浄力が弱まってしまいます。タオルが洗濯機の中で踊るような水量が理想と言われています。

すすぎもしっかりとしてください。粉の洗剤の場合、洗剤のカスが残って菌のエサになる恐れがあります。

また、洗濯機に菌や汚れがたまっていると、洗濯するときにはがれ落ちることがあります。洗濯したタオルに付着してしまうと菌が繁殖してにおいの原因になるので、洗濯機クリーナーを使って洗濯槽も定期的に掃除をしましょう。

 

タオルをふわふわにする干し方

洗ったタオルは、日中に屋外で陰干しをしましょう。菌の増殖を防ぐには、洗濯後できるだけ早く乾かすのがポイントですが、天日干しはおすすめしません。

直射日光に当てると水分が飛びすぎたり、紫外線がタオルの繊維を傷めて、硬くなってしまうからです。水分が飛びすぎると過乾燥の状態になり、タオルがパサパサの風合いになります。

天日で干す場合は、乾いたらできるだけ早く取り入れてください。夜は湿度が高くて乾きにくいので、できれば日中の時間帯に干しましょう。

部屋干しは乾くまでに時間がかかり、菌が増殖しやすくなります。やむをえず部屋干しするときは、エアコン・扇風機・除湿機などを併用しましょう。

また、使ったタオルを湿ったまま洗濯機や洗濯カゴに入れて放置すると、生乾きの状態が続いて菌が増殖してしまいます。洗濯するまでの間は、できれば干しておきましょう。干すのが難しければ、洗濯カゴの一番上に広げておくなど、乾きやすくなるように工夫してください。

尚、乾燥機を使う場合には、通常より短めにして、乾ききる前に少し吊るし干しをします。

 

参考:おすすめの干し方

 

❶洗濯したタオルを広げたら、ほぐして緩めるように2~3回ほど揺らします。

❷タオルの四方を順に引っ張って形を整えます。

❸パイルを立てるように10回ほど、パンパンと上下に振ります。

❹パイルを逆目にして吊るし干しすると、水分の重みで、よりパイルが立ち上がります。

❺直射日光を避け、風通しの良い場所で陰干しします。

 

タオルを買い替えるタイミング

これまでにお話ししたように、洗濯や干し方に気をつければ、良いタオルは3年、5年と使い続けることができます。タオルのふんわりとした風合いが戻らないときや、タオルに黒ずみやカビが付いて落ちないときは交換を検討しましょう。

 

おすすめの収納方法

タオルのふんわり感は、パイルの間に空気を含んでいることが大きな要因です。たたんだタオルをたくさん積み重ねると、パイルがつぶれてしまい、せっかくのふんわり感が台無しになります。

タオルを収納する際は、丸めたり、小さくたたんだりして、あまりたくさん重ねず、強い圧力を加えないようにすれば、いつでも洗いたてのふんわり感が楽しめます。

 

身近なタオルにも様々な技術が駆使されており、そして日常使用するのにより良く使うためのコツがたくさんあることを知っていただければと思います。

 

提供:日東タオル(株) 代表取締役 鳥山貴弘氏

 

こうして今の私たちが毎日何事もなく使用しているものにも、様々な工夫があることを今一度、見直し、先人たちの知恵を理解しながらさらに先に革新的なものを作ろうという姿勢が今後も続いていくことでしょう。

 

生活に欠かせないタオル。より良いものを使い、そして大切に保管することを改めて考えさせられます。

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