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藍食人-藍を食べる

四国大学が見出した藍の食用としての可能性

深く神秘的な藍、「JAPAN BLUE」。日本の伝統色のひとつである藍色。

藍の乾燥葉を発酵させて作る染料「すくも」は、染料としての役目を果たしているが、新しい試みとして、2017年、四国大学が「SUBARU事業」をたちあげた。藍を使用した食品を開発する「食藍」の研究が行われている。

 

「藍食人は病気知らず」は本当だった?!

藍染めの染料としてのイメージが強い藍だが、昔は漢方のように利用されていた歴史があるという。

藍には解熱、解毒、消炎、食あたりなどに効果はあると信じられていたらしく、体に不調があると藍を摂取していたのだとか。

 

藍は薬草として珍重された歴史は古く、書物にも記述が数多くある。たとえば、『本草和名』(918 年)には、解熱剤として藍実を紹介。『原色牧野和漢薬草図鑑』(北隆館発刊)には、「生藍の葉、乾燥葉、種子の生および煎じ液が、消炎、解毒、止血、虫さされ、痔、扁桃腺円、喉頭炎に効果あり」と記されている。また、すくもを生で食べるとフグ中毒に効果があるといわれ、江戸時代、藍の商人が長州を訪ね、ひと握りのすくもと交換にふぐ料理をごちそうになったというエピソードも残っている。

 

しかし、その効能についてはこれまで科学的な証拠が検証されてこなかった。そこで、四国大学では藍の機能性に着目し、藍の研究を始めた。

 

昔の文献からみる漢方としての藍の効能

・葉【生薬名:藍葉(らんよう)】

藍の葉はちぎったところから根を生やすほど生命力が旺盛。

 

生葉の絞り汁

やけど、口内炎、唇荒れ、腫れ物、毒⾍の刺し傷、肋膜炎、月経不順、便秘に効果がある。

 

葉の煎じ液

解熱、解毒、痔、⿂やキノコの中毒に効果がある。

 

生葉、干葉

冷え症の人がお腹の上に置いて寝ると効果がある。また、頭の上に置いて眠ると安眠効果がある。

 

・実 [⽣薬名:藍実(らんじつ)]

 

生葉の絞り汁

解熱、解毒、魚やキノコの中毒、精力衰退、腹痛に効果がある。また、煮出したお茶は、滋養強壮に効果がある。

中国医学では、流⾏性感冒、脳炎、細菌性下痢、急性胃腸炎に効果があるとされている。

 

藍の葉が生活習慣病の予防に

四国大学では、マウスの実験などで、藍の食品の安全性の確認を行い、発癌性も認められず安全であることが認められた。

また普通食に比べて体重の減少、血糖値の低下もみられた。

これらは、藍に糖尿病をはじめ、生活習慣病を予防する機能性食品としての可能性があることを示している。2020年7月には厚生労働省から藍の葉と茎を食用として利用することが認可された。

 

さまざまな疾患の原因とされる活性酸素を消去する抗酸化物質であるポリフェノールや、抗菌物質であるトリプタンスリンを含み、ポリフェノールの中でもケルセチンやケンペロールを特に多く含んでいる。ケンペロールは、野菜ではホウレンソウに最も多く含まれるが、藍においてはホウレンソウの10倍含有している。

コレステロール値の改善や内臓脂肪を減らす効果、ポリフェノールや食物繊維が豊富で健康や美容にも期待できそうだ。

 

茎は葉と異なる機能性

タデアイの葉の他、茎にも多くの繊維が含まれており、腸内細菌糞を改善するプロバイオティクス効果があるのではないかと推測されている。

 

藍の味と色

タデアイの葉にはポリフェノールの一種、タンニンが含まれている。お茶に含まれているタンニンと同様の成分。お茶と同じえぐみや渋みが感じられる。

葉を乾燥させたものは、緑色であまり普通のお茶と変わらないが、最近は研究も進み、ブルーのパウダーなども開発されている。

 

藍の商品

藍のお茶をはじめ、お菓子など様々なものが開発されている。

藍茶インディゴハーブティー

 

阿波藍茶 ノンカフェインティー

 

藍びすこってぃ

パティシエによるイタリアトスカーナ地方の郷土料理の固焼きビスケット「藍びすこってぃ」

優しく香る藍の味と素朴な焼き菓子。さらに使用している材料は、藍・アーモンドパウダー、米粉、米油、ベーキングパウダー、ビートグラニュー糖など自然で体によいものだらけ。ビートグラニュー糖はさとう大根という原料から作られていて血糖値は緩やかに上がり身体を温める働きがあるようだ。

牛乳、バター、小麦不使用なのに、しっかりとしたビスケット。細かく砕いたアーモンドも混ざっており、ザクザクの食感や香ばしさ、ほのかな藍の風味が味わえる。

 

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