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渋沢栄一ゆかりの地「埼玉熊谷」前編

渋沢栄一ゆかりの地 埼玉熊谷

埼玉は渋沢栄一の生誕の地として知られている。渋沢栄一は500もの企業に創設または関与、そして全国的に、渋沢栄一が讃えられているゆかりの地はあるが、埼玉ほど集中しているところはない。

色々な角度からゆかりの地を歩いてみると、新たな発見があるに違いない。生誕の地、深谷の隣地域、「熊谷」にもゆかりの地がある。(前編)

 

⑭愛染堂

江戸時代中期(1726年、享保11年)に建立された愛染堂には熊谷市指定有形民俗文化財「愛染明王」が安置されている。愛と藍の語呂合わせから江戸時代以降多くの染色業者や染料となる藍球の生産者の信仰を受けた。平成時代に保存修理工事を実施した。

下川上に所在する愛染堂の本尊は愛染明王の坐像であり、開帳は50年に一度となっています。この愛染堂は、古くは医王院宝乗院が別当寺となっているが、明治38年に本堂が倒壊し現存していません。現在は、上中条の実相院が管理している。
愛染明王は本来、染色とは関係のない仏であり、愛欲や貪欲といった心の欲望をつかさどる仏とされている。人間の愛欲をつかさどるということから、愛染明王は水商売の人たちの信仰を集めていたが、それとともに、染色業者信仰を集めるに至りました。これは、「愛染」が「藍染」に通じるというゴロ合わせによるものと、愛染明王の台座になっている宝瓶を藍甕にみたてたというものだ。

【栄一との関係】

愛染堂には、栄一の従兄弟で学問の師でもある尾高惇忠が揮毫(きごう)した奉納額(熊谷市指定有形民俗文化財)があり、栄一の妹婿にあたる渋沢市郎などの渋沢家や血洗島近辺の面々が寄進者に名前を連ねている。渋沢家・尾高家の家業であった藍玉の生産者や、県北地域の染色業者や木綿加工業者、絹産業文化の関係者、東京の花柳界、消防組織からの信仰を集めた形跡が多く残されている。

 

○住所:熊谷市下川上32

○問い合わせ:048-536-5062(熊谷市立江南文化財センター)

 

⑮妻沼聖天山

日本三大聖天の一つとして知られ、特に縁結びの霊験あらたかな寺院として親しまれている。安永8年(1779年)に再建されました。本殿「聖天堂」は、日光東照宮を彷彿とさせる本格的装飾建築で、その精巧さゆえに「埼玉日光」と称され、国宝に指定されている。

【栄一との関係】

栄一の伝記資料によると、明治32年3月31日、熊谷に立ち寄った際に、竹井澹如の別邸(現在の星溪園)を訪れた後、妻沼村聖天宮(妻沼聖天山)を参拝したと書かれている。

 

○住所:熊谷市妻沼1511

〇開館時間:本殿の拝観のみ9時30分~16時30分(受付は16時までにお願いします。)

〇料金:本殿の拝観のみ700円(同伴者がいる場合、中学生以下無料)

○問い合わせ:048-588-1644

⑯集福寺曹洞宗寺院の集福寺には江戸時代中期から地域周辺の土木事業などを進めた慈善家・吉田市右衛門(歴代)の菩提寺として知られ、当院には江戸時代から明治時代にかけて多くの著名人が訪れた。

【栄一との関係】

栄一との交流が知られる清水卯三郎や五代友厚が吉田家(現在、屋敷などは残されていません。)及び集福寺を訪れており、栄一の来訪は記録上明確ではありませんが、北武蔵地域における当時の人物交流の中で特筆すべき拠点ともいえます。

 

○住所:熊谷市下奈良551

○問い合わせ:048-536-5062(熊谷市立江南文化財センター)

 

⑰元素楼跡

元素楼は、明治2年(1869年)に玉井村(熊谷市玉井)の養蚕家・鯨井勘衛(1831-1874)が設立した養蚕研究施設で、清涼育と呼ばれる養蚕技術の改良を行った。現在、蚕室は解体され、跡地には、この地を明治皇后が表敬した行啓記念碑が建立されている。(熊谷市指定記念物 史跡)

【栄一との関係】

養蚕家・鯨井勘衛は栄一や、栄一の従兄弟で学問の師でもある尾高惇忠と交流があり、幕末期から明治時代初頭における養蚕技術の革新を行った人物として知られている。鯨井は、富岡製糸場における製糸に向けた原料確保の観点から伊勢崎の田島弥平らと協働し、当時の産業を下支えした。

 

○住所:熊谷市玉井1468

○問い合わせ:048-536-5062(熊谷市立江南文化財センター)

 

⑱秩父鉄道道しるべ

江戸時代に盛んになった、秩父札所巡りの札所第1番四万部寺への距離を示し、明和3年(1766)、中山道から分岐し秩父方面へ向かう街道「秩父往還」の始点に建てられた石碑群で、熊谷から秩父への経路、宝登山への案内表示として知られている。(埼玉県指定記念物 旧跡)江戸から秩父へ向かう道(秩父往還)は、川越から小川を経由する道、所沢から飯能を経由する道、そして熊谷を通り、石原で中山道から分かれて、寄居を経由してゆく道などがあった。

【栄一との関係】

弘化4年(1848年)、安政5年(1858年)の石碑には栄一の伯父にあたる渋沢宗助が願主として記され、渋沢家などが建立したことが分かる。これは秩父銘仙などの織物産業に関連した寄進として考えられ、渋沢家と地域の工芸文化を結ぶ意義を含んでいる。

 

○住所:熊谷市石原地内(かめのみち公園内)

○問い合わせ:048-536-5062(熊谷市立江南文化財センター)

 

⑲片倉シルク記念館

栄一が建設に携わった富岡製糸場の姉妹工場として操業していた片倉工業株式会社の熊谷工場の跡地を利用した絹産業の資料館。

片倉工業株式会社の最後の製糸工場の「繭倉庫」を利用し、操業当時の工場の様子や生産の過程を今に伝えている。(平成19年に近代化産業遺産認定)

【栄一との関係】

栄一は明治3年(1870年)に官営富岡製糸場設置主任となり、栄一の従兄弟で学問の師でもある尾高惇忠らとともに工場設置計画を推進しました。昭和14年(1939年)、片倉製糸紡績株式会社(現:片倉工業株式会社)に合併されることとなり、平成6年、同社の最後の製糸工場である熊谷工場が閉鎖し、長きにわたる製糸業の歴史を終えることとなりました。

 

○住所:熊谷市本石2-135

〇開館時間:10時~17時(入館は16時30分までにお願いします。)

○休館日:月・火曜日、夏期、年末年始

〇お問い合わせ:048-522-4316

 

 

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