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渋沢栄一ゆかりの地「埼玉熊谷」後編

渋沢栄一ゆかりの地 埼玉熊谷

埼玉は渋沢栄一の生誕の地として知られている。渋沢栄一は500もの企業に創設または関与、そして全国的に、渋沢栄一が讃えられているゆかりの地はあるが、埼玉ほど集中しているところはない。

色々な角度からゆかりの地を歩いてみると、新たな発見があるに違いない。生誕の地、深谷の隣地域、「熊谷」にもゆかりの地がある。(後編)

 

⑳星溪園

熊谷市名勝「星溪園」は、中山道熊谷宿本陣・竹井家の当時の当主であった竹井澹如(1839-1912)が庭園の作庭と建造物の建立を発案し、本陣の別邸として慶応年間から明治初年にかけて設置した。回遊式庭園の形式で、戦国時代末期の荒川洪水に端を発した「玉の池」を中心に豊かな植物や3棟の建物が配されている。(熊谷市指定記念物 名勝)

 

 

 

■竹井澹如と星溪園

天保10年(1839)群馬県甘楽郡南牧村羽沢の豪族市川家に生まれ、幼名を萬平と言い幽谷と号した。明治12年(1879)初代の県議会議長となり、政府の要職をすすめられたが、始終一貫、熊谷地方のために貢献した。熊谷県庁の誘致・旧熊谷堤の修築と桜の植樹・養蚕業の振興・私立中学校(セキテイ学社)の創設などの偉業を残し、大正元年(1912)8月74歳で永眠された。
元和9年(1623)、荒川の洪水により当園の西方にあった土手(北条堤)が切れて池が生じ、その池は清らかな水が湧き出るので「玉の池」と呼ばれ、この湧き水が、星川の源となった。澹如翁が、ここに別邸を設け、「玉の池」を中心に竹木を植え、名石を集めて庭園とした。
  昭和初期、この地を訪れた前大徳牧宗禅師が、「星溪園」と命名しました。昭和25年に熊谷市が譲り受け、昭和29年に市の名勝として指定されたた。
 平成2年から4年にかけて園内の整備が行われた際には、老朽化の見られた建物は数奇屋感覚が取り入れた上で復元された。園内には、星溪寮、松風庵、積翠閣の3つの建物があり、お茶会などの日本的文化教養の場として、利用できる。

 

【栄一との関係】

熊谷地域の近代化に寄与した竹井澹如は当時の中央政権との高官とも交流があり、経済界においては都市基盤整備、鉄道の敷設などの調整から栄一との協働関係があったことでも知られている。星溪園には明治皇后や大隈重信、陸奥宗光とともに栄一が来訪したことが、竹井家において伝承されている。

 

○住所:熊谷市鎌倉町32

〇開館時間:9時~17時(11月~2月は9時~16時)

〇休館日:月曜日(月曜日が休日の場合は翌日)、12月27日~1月4日

〇料金:庭園内への入場は無料(茶室等の利用は有料)

○問い合わせ:048-536-5062(熊谷市立江南文化財センター)

 

㉑秩父鉄道

埼玉県北部を東西に横断し、熊谷を起点に東は羽生駅、西は長瀞や秩父を通り、三峰口駅まで37駅、田園地帯や、荒川、秩父の山々など総延長71.7キロの広大な自然の中を走る鉄道。

【栄一との関係】

経営難の際に栄一に相談、援助により資金調達をした。
長瀞駅前には栄一による「長瀞は天下の勝地」の石碑が建てられているほか、沿線には煉瓦を使用した構造物も点在している。

 

○住所:熊谷市曙町1丁目1番地(本社)

○問い合わせ:048-523-3313

SLパレオエクスプレス路線図

 

㉒長島記念館

埼玉銀行(現在の埼玉りそな銀行)の頭取・会長を務めた長島恭助の生家であり、現在は記念館として主屋や石蔵などが保存されている。(熊谷市指定記念物 名勝)

【栄一との関係】

当記念館には収蔵された美術品も多く、埼玉銀行の創始会社となる武州銀行を設立した栄一の書が3点保管されている。

 

○住所:熊谷市小八林1022

〇開館時間:10時~16時

〇休館日:月・木曜日(祝日を除く)、祝日の翌日(土・日曜日を除く)、夏期、年末年始

〇料金:一般300円、小・中学生100円

○問い合わせ:0493-39-2025(公益財団法人長島記念財団)

 

㉓根岸家長屋門

江戸時代中期から豪農と知られる根岸家には屋敷のシンボリックな存在として建立された根岸家長屋門が保存され、幅13間、奥行き3間、屋根棟高10メートルある長屋門建築としては県内屈指の規模を誇る。

正面左側は剣術道場の「振武所」として使われ、右側は当時の番頭たちの帳場に使われた部屋が設けられています。建設された時期は寛政年間の頃と伝えられており、敷地の広さは1,600坪にも及び、土蔵5棟、酒蔵1棟があり、さらに庭には私塾の三余堂が建てられていた事が屋敷見取り図より読み取れる。

幕末から明治時代に掛けて根岸友山・武香親子が活躍し、熊谷地域と中央政権とを結び付けた。(熊谷市指定有形文化財)

根岸家長屋門は、平成22年度に屋根瓦の葺き替えを中心とした修復工事を実施し、建設当初の面影を取り戻した。そして、かつて振武所として使われていた場所に「友山・武香ミュージアム」を開設し、根岸家の歴史を紹介するパネルや、荒川の洪水に備えて保管されていた木製舟などを展示している。

【栄一との関係】

幕末の激動期に長州藩との交流があった根岸家には、栄一と交流のあった清水卯三郎や、当時の熊谷県県令の楫取素彦が逗留した場所として知られ、栄一の来訪は不明であるが、当時の政治経済における交流史の一端を担っていたことが推定される。

 

○住所:熊谷市冑山152

○開館時間:9時~17時

○休館日:年中無休

○問い合わせ:048-536-5062(熊谷市立江南文化財センター)

 

 
 

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