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青天を衝け「栄一と桜田門外の変」9話

幕府は、井伊直弼により、上官のすり替え、斉昭(竹中直人)には水戸の屋敷への軟禁命令、そして慶喜(草薙剛)の一橋家軟禁命令という、厳しい処罰を与える。

何をしたわけでもないが、出る杭を打つという、封じ込めの対応であった。

一方武州では、斉昭の水戸軟禁の噂から、尊王攘夷の考えが盛り上がり、栄一を江戸へ駆り立てる。

 

 

 

あらすじ

井伊直弼(岸谷五朗)により、蟄居(ちっきょ)を命じられた斉昭(竹中直人)や慶喜(草彅 剛)は無言の抵抗を続ける。

しかし、その井伊は桜田門外の変で暗殺され、斉昭も突然の死去。父の死を耳にした慶喜は慟哭する。

 

一方、江戸から戻った長七郎(満島真之介)に感化され尊王攘夷の考えに傾倒し始めた栄一(吉沢 亮)は、喜作(高良健吾)に続いて自分も江戸へ行きたいと父・市郎右衛門(小林 薫)に懇願する。

 

徳川家康の語り

安政5年。徳川斉昭が伝え始めた尊王攘夷が叫ばれる。

野蛮人はいらねえ。斉昭が中国の朱子学にあった考えを日本流に置き換えたといわれている。

朝廷、孝明天皇は一橋派への期待を高めていたが、井伊直弼により上官の首をどんどん変えていく。

慶喜を将軍にしようとした人にもその手は迫っていた。

 

 

ドラマを観て思うこと

今回は、徳川幕府の事が中心に描かれていた。

安政5年(1858年)4月、大老に就任した彦根藩主の井伊直弼は、将軍の継嗣問題と修好通常条約という課題に直面し、南紀派(会津藩主一派)と一橋派(水戸藩他福井藩主等)が世継ぎ問題を争った。

直弼は、血縁を重視する慣例と家定の内意に沿って南紀派を満足させる結果となったが、「時節柄、次期将軍は年長の人が望ましい」という朝廷の意見には反するものであった。

そして、一橋派の主要人物をことごとく江戸における活動を制限した。これにより、志士たちが反旗を翻す。

これが桜田門外の変だ。桜田門と彦根藩邸までの距離はわずか600mほど。その短い道中での水戸脱藩浪士達の謀反、井伊直弼の暗殺だった。

桜田門外の変

 

長七郎も例外ではなく、栄一と千代の祝言には間に合わなかったが、武州で、江戸の状況を語った。

話を聞いた栄一は、純忠や喜作らと「尊王攘夷」だと盛り上がり、千代にも百姓だからって軽くみられるのはお代官やお殿様のせいではなく、この世自体がおかしいのかもしれないという。

「生まれつき身分があるこの世自体が、つまり幕府がおかしいのかもしれねえ。」と。

「だとしたら俺はどうすればいい?この世を変えるには・・・。」

井伊直弼が打たれた喜作も江戸に行くことを知り、栄一も大志を抱くようになる。

 

斉昭の死によって、慶喜もより考え方を固めたようなそんな時代の流れをみたような気がした。

直弼も、伝統を守っていくために考えて断行したことなのだが、ながく続きすぎた時代の流れから、実力や人望など求心力のある人物への流れと動き出した感は否めない。

現代もまた、リーダーである人や若者たちの社会に対して今日の社会の在り方も同じような現象があるように思えてならない。

 

 

ゆかりの地の紹介

桜田門外の変といえば、東京都千代田区。地下鉄有楽町線に「桜田門」という駅があるがまさにそこである。

桜田門は江戸城へ登城するとくに使った門だといわれている。また、井伊直弼の屋敷は桜田門の近くにあった。

 

井伊直弼は屋敷から江戸城に向かう道中で、水戸脱藩浪士達に襲撃された。だがその死は公式の記録では病死ということになっている。

豪徳寺

 

東京都世田谷区。小田急線の「豪徳寺」駅に、豪徳寺がある。井伊直弼の墓がここにあり、今も多くの人が訪れるという。

 

そして井伊直弼の遺品は、郷里の滋賀県彦根市にある「天寧寺」にある。

襲撃時に(かご)の中で座っていた座布団が今もその中にあるという。

 

天寧寺

 

旧江戸城桜田門   東京メトロ「桜田門」下車徒歩すぐ

豪徳寺   小田急線「豪徳寺」下車徒歩15分

天寧寺   JR「彦根」下車徒歩15分

 

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